越後長野温泉 嵐渓荘
ECHIGO-NAGANO ONSEN RANKEISOU English Site
| ナトリウムー塩化物冷鉱泉 | pH |
|
| Sodium - Chloride Cold mineral springs | ||
| (等張性 弱アルカリ性 冷鉱泉) | ||
| 旧泉質名:食塩冷鉱泉 | ||
こんな人に最適
- 美肌効果を試したい方
- 乾燥肌の方
- 切り傷が気になる方
- ストレスを感じている方
- 冷え性の方
- 入浴後の爽快感を味わいたい方
- 住所
- 〒955-0132 新潟県三条市長野1450
- TEL
- 0256-47-2211
宿の公式HP
宿泊レポート
| 源泉 | 利用状況 | |
|---|---|---|
| 湧出状況 |
温泉力 チャート(5段階評価)
水素イオン濃度 (pHペーハー)

- 一言コメント
- 古い角質を落としてツルツルのお肌に!
温泉スペック
※環境省から2014年7月に改訂された「鉱泉分析表指針」の泉質別適応症を元に、分かりやすく表現したものです。
| ①メンタル回復 | ②不眠症 | ③血行促進 | ④冷え性 | ⑤ドライスキン |
| ⑥きりきず | ⑦皮膚病 | ⑧高血圧(軽症) | ⑨胸やけ(飲用) | ⑩胃腸の不調(飲用) |
| ⑪便秘(飲用) | ⑫生活習慣病 | ⑬糖尿病 | ⑭痛風 | ⑮メタボ対策 |
| ⑯胆道系の不安 | ⑰貧血 | ⑱関節リウマチ | ⑲脊椎の痛み | ⑳免疫力アップ |
| ㉑筋肉痛・神経痛 | ㉒軽い喘息 | ㉓痔の痛み | ㉔病後回復 | ㉕疲労回復 |
- ※注①・・・泉質別適応症に、自律神経不安定症、うつ状態がある泉質(単純温泉・塩化物泉・硫酸塩泉・二酸化炭素泉)。
- ※注③・・・泉質別適応症に、末梢循環障害がある泉質(塩化物泉・炭酸水素塩泉・二酸化炭素泉・硫化水素型の硫黄泉)。
- ※注④・・・泉質別適応症に、冷え性がある泉質(塩化物泉・炭酸水素塩泉・硫酸塩泉・二酸化炭素泉)と含鉄泉。
- ※注⑦・・・泉質別適応症に、皮膚乾燥症、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、表皮化膿症、慢性湿疹がある泉質(塩化物泉・炭酸水素塩泉・硫酸塩泉・酸性泉・硫黄泉)。
- ※注⑨・・・飲用の泉質別適応症に、逆流性食道炎がある泉質(炭酸水素塩泉)。
- ※注⑩・・・飲用の泉質別適応症に、萎縮性胃炎、胃十二指腸潰瘍がある泉質(塩化物泉・炭酸水素塩泉)。
- ※注⑪・・・飲用で、塩化物泉と硫酸塩泉。
- ※注⑫・・・泉質別適応症に、高コレステロール血症、糖尿病、痛風がある泉質(浴用で、酸性泉・放射能泉/飲用で、炭酸水素塩泉・含よう素泉・硫黄泉)。
- ※注⑮・・・飲用の泉質別適応症に、高コレステロール血症がある泉質(硫酸塩泉・含よう素泉・硫黄泉)。
- ※注⑱⑲・・・泉質別適応症に、関節リウマチ、剛直性脊椎炎がある泉質(放射能泉)。
- ※注⑳・・・放射能泉。
- ※注㉑㉔・・単純温泉は、刺激が少ないのでリハビリに適しており、泉質別適応症にはないが「神経痛の湯」「脳卒中(中風)の湯」とも呼ばれている。
| 泉質別適応症に該当 | 一般的適応症に該当 |
美肌の湯 7要素
合計4ポイント ※「美肌の湯」と呼ばれる泉質をポイント数で表しました。
| クレンジング・なめらか効果 | シワ防止・蘇生効果 | 美白・シミ予防効果 |
|---|---|---|
| 炭酸水素塩泉 | 硫酸塩泉 | 硫黄泉 |
| 角質除去・つるすべ効果 | コーティング・保湿効果 | しっとり・保湿効果 | ニキビ予防・清浄効果 |
|---|---|---|---|
| (弱)アルカリ性の温泉 | 塩化物泉 | メタけい酸(100mg/kg以上) | メタほう酸(10mg/kg以上) |
- ※「四大美人泉質」は「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」「硫黄泉」「(弱)アルカリ性単純温泉」と言われています。
- ※「塩化物泉」は塩分パックで肌をコーティングする事で、保温・保湿効果と同時に、温泉成分をキープしてくれます。角質が除去された「美人の湯」の後に入る「仕上げの湯」とも呼ばれています。
- ※「メタけい酸」は保湿作用があり、一部の化粧品にも使われています。
- ※「メタほう酸」は清浄作用があり、目薬にも一部使用され、にきびにも効果があると言われています。
湯ざわり(入浴時)感触メーター(5段階評価)

| つるつる | とろとろ | ||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| さらさら | もちもち | ||||||||||
| しゅわしゅわ | ぴりぴり | ||||||||||
湯あがり(入浴後)感触メーター(5段階評価)

| すべすべ | かさかさ | ||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| さらさら | ぺたぺた | ||||||||||
| しっとり | ぽかぽか | ||||||||||
露天風呂からの眺望メーター(5段階評価)

| 山 渓谷 渓流 |
| 男女別大浴場 露天風呂 |
| 評価 4 |
|---|
源泉の利用状況
| 加水 なし |
加温 なし |
消毒 なし |
循環 なし |
入浴剤 なし |
|---|---|---|---|---|
| ○ | × | △ | × | ○ |
| ※源泉温度が低いため加温している ※温度管理と温泉資源保護の為、循環している ※1日1回だけチェックアウト後に塩素剤(固形)を投与 |
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| 源泉率 | 100% | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 湯の入替 | 温泉を循環・消毒しているため、3~7日に1回程度 | ||||
| 源泉の湧出状況 | 2つの自家源泉(地下100m)からエアリフト方式による汲み上げ | ||||
| 源泉から湯船までの距離 | 100m以内(敷地内にて源泉が湧出) | ||||
| 引湯方法 | 自家源泉。敷地内の貯湯槽にて管理。 | ||||
| 温度の調整方法 | 源泉温度が低いため、循環装置を使って加温している。 | ||||
| 飲泉 | 浴室からは飲泉不可/ロビーにて源泉をほうじ茶としていただける | ||||
| 源泉かけ流し風呂 | - | ||||
温泉成分表 温泉分析書
| 泉質名 | ナトリウムー塩化物冷鉱泉(等張性 弱アルカリ性 冷鉱泉) 旧泉質名:食塩冷鉱泉 |
|---|---|
| 湯の色 | 無色澄明 |
| 湯の香り | 無臭 |
| 溶存物質 | 8,739mg/kg(ガス性のものを除く成分①+②+③の合計) |
| 泉温 | 15.0℃ (調査時の気温8℃) |
| pH値 | 7.9(弱アルカリ性) |
| 湧出量 | 約48リットル/分 一人あたりの温泉利用量(湧出量/収容人数) :約0.8リットル/人(最大収容人数60人) |
温泉の成分(源泉1kg中に含有する分量)
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|---|---|---|---|
| ①陽イオン | ミリグラム | ミリバル | ミリバル% |
| ナトリウムイオン(Na+)★ | 2957 | 128.6 | 93.39 |
| マグネシウムイオン(Mg2+) | 64.1 | 5.27 | 3.83 |
| カルシウムイオン(Ca2+) | 58.4 | 2.91 | 2.11 |
| カリウムイオン(K+) | 32.5 | 0.83 | 0.60 |
| リチウムイオン(Li+) | 0.3 | 0.04 | 0.03 |
| ストロンチウムイオン(Sr2+) | 0.3 | 0.01 | 0.01 |
| バリウムイオン(Ba2+) | 0.3 | 0.00 | 0.00 |
| マンガンイオン(Mn2+) | 0.3 | 0.01 | 0.01 |
| アルミニウムイオン(Al3+) | 0.1未満 | - | - |
| アンモニウムイオン(NH4+) | 0.1未満 | - | - |
| 鉄(Ⅱ)イオン(Fe2+) | 0.1未満 | 0.00 | 0.00 |
| 鉄(Ⅲ)イオン(Fe3+) | 0.1未満 | - | - |
| 銅イオン(Cu+) | 0.1未満 | - | - |
| 計① | 3113 | 137.7 | 100.00 |
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|---|---|---|---|
| ②陰イオン | ミリグラム | ミリバル | ミリバル% |
| 塩化物イオン(Cl-)★ | 4322 | 121.9 | 85.60 |
| 炭酸水素イオン(HCO3-)★ | 1191 | 19.52 | 13.71 |
| 硫酸イオン(SO42-) | 23.3 | 0.49 | 0.34 |
| 臭化物イオン(Br-)★ | 15.5 | 0.19 | 0.13 |
| 炭酸イオン(CO32-) | 7.2 | 0.24 | 0.17 |
| よう化物イオン(I-)★ | 1.4 | 0.01 | 0.01 |
| ふっ化物イオン(F-) | 0.3 | 0.02 | 0.01 |
| 硫化水素イオン(HS-) | 0.1未満 | - | - |
| 硫化物イオン(S2-) | 0.1未満 | - | - |
| チオ硫酸イオン(S2O32-) | 0.4 | 0.01 | 0.00 |
| 硫酸水素イオン(HSO4-) | 5.0未満 | - | - |
| 計② | 5561 | 142.4 | 100.00 |
| ③非解離成分 | ミリグラム | ミリモル | |
|---|---|---|---|
| メタけい酸(H2SiO3) | 42.0 | 0.54 | |
| メタほう酸(HBO2)★ | 22.7 | 0.52 | |
| メタ亜ひ酸(HAsO2) | 0.1未満 | - | |
| 計③ | 64.7 | 1.06 | |
| 溶存ガス成分 | ミリグラム | ミリモル | |
|---|---|---|---|
| 遊離二酸化炭素(CO2) | 25.1 | 0.57 | |
| 遊離硫化水素(H2S) | 0.1未満 | - | |
| 計④ | 25.1 | 0.57 | |
| その他微量成分 | |||
|---|---|---|---|
| 検出せず (鉛:0.005mg/kg、カドミウムイオン:0.005mg/kg、総ヒ素:0.005mg/kg、総水銀:0.0002mg/kg) |
★のマークがついているところは、「泉質名」に関わる成分と、「温泉」「療養泉」の資格条件になる成分です。
この泉質ならではの適応症(平成26年7月1日改定)
きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
浴用の一般的適応症(平成26年7月1日改定)
筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進
この泉質ならではの浴用の禁忌症(平成26年7月1日改定)
なし
浴用の一般的禁忌症(平成26年7月1日改定)
病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期
飲用の適応症
保健所の飲泉許可を取っていない ※ただし、ロビーにて源泉を使ったほうじ茶や、朝食時には温泉粥として提供
分析日(上記の温泉成分表は下記機関の調査データより引用)
令和6年12月16日(一般財団法人 新潟県環境衛生中央研究所)
- ※適応症・禁忌症に関しては、平成26年7月の改正の「鉱泉分析法指針」に準拠しています。
- ※宿よりデータを提供して頂きました。
「温泉」の資格20項目と「療養泉」の資格8項目
| 条件/成分(1kg中の割合) ※ひとつでも条件をクリアすれば「温泉」「療養泉」 |
A【温泉法】 「温泉」の条件(規定値) |
B【鉱泉分析法指針】 「療養泉」の条件(規定値) |
|
|---|---|---|---|
| 1 | 温度(泉源から採取される時点) | 25℃以上 | |
| 2 | 溶存物質(ガス性のものを除く) | 総量1000mg以上 | |
| 3 | 遊離二酸化炭素(遊離炭酸) (CO2) | 250mg以上 | 1000mg以上(二酸化炭素泉) |
| 4 | リチウムイオン(Li+) | 1mg以上 | ― |
| 5 | ストロンチウムイオン(Sr2+) | 10mg以上 | ― |
| 6 | バリウムイオン(Ba2+) | 5mg以上 | ― |
| 7 | 総鉄イオン[Fe2+(鉄(Ⅱ)イオン/フェロイオン)+Fe3+(鉄(Ⅲ)イオン/フェリイオン)] | 10mg以上 | 20mg以上(含鉄泉) |
| 8 | マンガン(Ⅱ)イオン(第一マンガンイオン)(Mn2+) | 10mg以上 | ― |
| 9 | 水素イオン(H+) | 1mg以上 | 1mg以上(酸性泉) |
| 10 | 臭化物イオン(臭素イオン)(Br-) | 5mg以上 | ― |
| 11 | よう化物イオン(よう素イオン)(I-) | 1mg以上 | 10mg以上(含よう素泉) |
| 12 | ふっ化物イオン(ふっ素イオン)(F-) | 2mg以上 | ― |
| 13 | ひ酸水素イオン(ヒドロひ酸イオン)(HAsO42-) | 1.3mg以上 | ― |
| 14 | メタ亜ひ酸 (HAsO2) | 1mg以上 | ― |
| 15 | 総硫黄 (S) [HS-(硫化水素イオン)+ S2O32-(チオ硫酸イオン)+ H2S(遊離硫化水素)] | 1mg以上 | 2mg以上(硫黄泉) |
| 16 | メタほう酸(HBO2) | 5mg以上 | ― |
| 17 | メタけい酸(H2SiO3) | 50mg以上 | ― |
| 18 | 炭酸水素ナトリウム(重炭酸ソーダ)(NaHCO3) | 340mg以上 | ― |
| 19 | ラドン(Rn) | 20ナノキューリー以上 20×10-10Ci(キューリー)以上 20(20百億分の1キューリー単位)以上 =74Bq(ベクレル)/5.5マッヘ以上 |
30ナノキューリー以上(放射能泉) 30×10-10Ci(キューリー)以上 30(百億分の1キューリー単位)以上 =111Bq(ベクレル)/8.25マッヘ以上 |
| 20 | ラジウム塩(Raとして) | 10-8mg以上 1億分の1㎎以上 |
― |
| この温泉・療養泉の資格条件 クリア数 | 5 | 1 | |
| 合計 6 ポイント | |||
温泉の言い伝え/その他
伝承による効能
薬として「皮膚病、切り傷、冷え症、婦人病、神経痛、肩こり、病後回復期に効く」として販売されていた
この湯に浸かった歴史上の人物
漢和辞典編集者・諸橋轍次(1883~1982年)
この湯に浸かった著名人
三谷幸喜、西田敏行、渡辺謙、小林聡美(NHK開局50周年記念ドラマ「川、いつか海へ」のロケ地として嵐渓荘が使用された)
温泉の解説
「嵐渓荘」の泉質名は、ナトリウム-塩化物冷鉱泉。
陽イオンのナトリウムイオンと陰イオンの塩化物イオンが主成分で、いわゆる「熱の湯」と称される泉質だが、それは温泉に含まれる塩分が肌に付着し、それが塩分パックのような皮膜となって汗腺を塞ぐことで、湯上がり後の体温低下が緩やかになり、湯冷めしにくくポカポカ感が持続するからである。それにより、冷え性に効果的とされる。
また、血管を拡張させ血行促進に役立つので、末梢循環障害にいいとされ、さらには、その保温効果が、自律神経のバランス調整に影響を及ぼし、うつ状態の改善に貢献している。
また、「傷の湯」とも呼ばれるが、それは塩分の殺菌作用があるからで、きりきずに効果的である。
ナトリウムイオンと塩化物イオンの組み合わせは、保湿効果をもたらし、皮膚乾燥症の改善にもいいとされる。
(※青文字は浴用の泉質別適応症)
「嵐渓荘」の温泉は、日本国内の数ある温泉と比べても、稀有な温泉と言える。
その理由のひとつは、その溶存物質の量。
温泉分析書を見ると、溶存物質の総量は、8,739mg/kg!
温泉(療養泉)の資格基準のひとつに、(ガス性のものを除く)溶存物質総量が1,000mg/kg以上というのがあるが、その基準値の8倍以上。
まさに、国内では珍しい“濃い”温泉なのである。
名湯として名高い群馬県・草津温泉の湯畑源泉でも、1,780mg/kg。
その5倍近いという数字だけ見ても、この温泉のスペックが理解できるはずだ。
その裏付けとなるのが、温泉を分類する指標として存在する「浸透圧」。
温泉における浸透圧を簡潔に説明すると、カラダの中に温泉の成分が浸透しやすいかどうかという目安のようなもの。
浸透圧は、低張性、等張性、高張性と分けられる。
人間の体液とほぼ濃さのものを等張性と呼ぶが、それは8,800mg(8.8g)の食塩を1リットルの水に溶かした食塩水に相当する。
それより薄いものを低張性、濃いものを高張性と呼ぶ。
つまり、溶存物質の総量が1kgあたり8,000mg未満を低張性と言い、8,000mg以上~10,000mg/kg未満は等張性、10,000mg/kg以上を高張性となる。
ちなみに、ニッポンの温泉のほとんどは、低張性の温泉(8,000mg/kg未満)と言われている。
浸透圧とは、水が濃度の低いほうから高いほうへ移動しようとする自然の性質。
低張性温泉では、水分は体内へ移動しやすく、温泉成分は体内へ移動しにくい傾向がある。
高張性温泉では、水分は体外へ移動しやすく、温泉成分は体内へ移動しやすい傾向がある。
そのため、高張性温泉は成分の作用を受けやすく、湯あたりに注意が必要。
「嵐渓荘」の温泉は、その真ん中に位置する等張性に分類される貴重な“濃い”温泉。
つまり、体液との濃度差が少ないため(水分と温泉成分の移動が少ないため)、浸透圧による影響は比較的少ない温泉と言える。
しかしながら、市販の入浴剤と比較すると、その有効成分の量は58~87倍!
これは一般的な家庭用のバスタブ(約200L)に1回分の入浴剤(人工の有効成分100~150mg/kgと想定)を投入した際との比較となる。
無色透明な湯ながら、その中身は尋常じゃないという事がお分かりだろう。
次に泉温を見ると、「嵐渓荘」の源泉は15℃と低め。
日本では、25℃以上から「温泉」、25℃未満は「冷鉱泉」と分類している。
この泉温からでも、非火山性の温泉であることが推測される。
ニッポンの温泉は、泉温が高い火山性の温泉(マグマが熱源)が多いが、「嵐渓荘」の温泉は、太古の地殻変動により海水が閉じ込められた、いわゆる「化石海水」起源と考えられている(諸説あり)。
地下100mから掘削して動力で汲み上げている温泉だが、その岩盤層からも豊富なミネラルを吸収して、現在の温泉成分を構成している。
ちなみに、加温することにより、入浴に適した温度にしているが、それによって、ほとんど温泉成分には影響しないので、心配はいらない。
そして水素イオン濃度(液性)で分類すると、pH7.9の弱アルカリ性。
弱アルカリ性の温泉は、皮膚の古い角質層を溶かしてくれる。
それにより、ツルツルすべすべと感じるわけだ。
いわゆる美肌の湯の条件と言われる泉質となっている。
また、泉質名には現れていないが炭酸水素イオンが1,191mg/kgと、大量に含まれている事も注目したい。
皮膚表面の皮脂や古い角質を乳化・洗浄しやすくする働き、つまりクレンジング・なめらか効果が期待できる。
泉質名は「ナトリウム-塩化物冷鉱泉」となり、炭酸水素イオンが主成分の炭酸水素塩泉の名前は入っていないが、それは、泉質名を決める際の20%ルールがあるから。
詳しく説明すると、ガス性のものをのぞく溶存物質総量が1,000mg/kg以上で、mval%(ミリバルパーセント)が20を超えた成分が、泉質名になるというルール。
mval%とは、全イオンの合計mval(ミリバル)に対する、各イオンが占める割合をパーセントで示したもの。これで主成分が何かが判断できる。
「嵐渓荘」の温泉は、陽イオンのナトリウムイオンが2,957mg/kg(93.39mval%)。
陰イオンの塩化物イオンが、4,322mg/kg(85.60mval%)。
この2つのイオンが80%以上を占めているので、炭酸水素イオンが1,191mg/kg(13.71mval%)もあっても、泉質名に反映されないのだ。
ちなみに炭酸水素塩泉で代表的な温泉地の例をあげると、美肌の湯で評判の佐賀県・嬉野温泉(ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉)の炭酸水素イオンの含有量は930mg/kg。
同じく、宮城県・東鳴子温泉(ナトリウム-炭酸水素塩泉)の炭酸水素イオンは556mg/kgとなる。
それらよりも多い1,191mg/kgも含まれているのにも関わらず、「美肌の湯」の代名詞である炭酸水素塩泉を名乗れないのは少し惜しい感じもする。
しかし、名乗れないが、その中身は炭酸水素塩泉と言っていいだろう。
さらに、炭酸水素イオンは、ナトリウムイオンと結びつき、炭酸水素ナトリウムとなる。いわゆる重曹と呼ばれる成分だ。
炭酸水素ナトリウム(重炭酸そうだ)は、340mg/kg以上が温泉の資格基準となるが、「嵐渓荘」の温泉は1639.8mg/kgもあり、なんと基準値の約4.8倍も含有していることが分かる。
炭酸水素ナトリウムは、前述の炭酸水素イオンと同じく、皮膚表面の余分な皮脂や古くなった角質を乳化して、石鹸のように洗い流す作用がある。
入浴後に肌がすべすべになることから、「美肌の湯」の成分として知られている。
弱アルカリ性成分と炭酸水素イオン(炭酸水素ナトリウム)成分、どちらも湯上がり後には肌をツルツル・すべすべに導くので、ダブル美肌の湯だと言えるだろう。
ただし、一般的に美肌の湯にも落とし穴があるので注意が必要。
弱アルカリ性成分と炭酸水素イオン成分、これらのクレンジング効果により、肌を一時的に乾燥しやすい状態にしてしまう恐れがあるのだ。
この場合、一般的には湯上がり後に保湿剤を塗ることをオススメするのだが、「嵐渓荘」の温泉には大量の塩分が含まれているのを忘れてはいけない。
塩分は前述のように、湯上がり後に肌をパックして、肌乾燥を防ぐ効果(保湿効果)がある。
肌表面をキレイにして美肌にしてくれるだけでなく、湯上がり後のアフターフォローまでしてくれる。
「嵐渓荘」の温泉は、「古い角質を落として、なめらか肌に」→「塩分コーティングで、保湿」・・・と、まさに一石二鳥の優れた泉質である事が分かる。
非解離成分のメタほう酸も、22.7mg/kgも含有している。
温泉基準値が5mg/kgだから、約4.5倍の量だと分かる。
メタほう酸は、10mg/kgを超えると、清浄効果があるとされ、ニキビ予防に効果的と言われている。
また、温泉資源の保護のため、また源泉量が豊富ではないため、「嵐渓荘」では、新しい源泉を注ぎつつ、浴槽内の源泉を循環しているが、源泉のみ使用し、加水はしていない。
「加温・循環すると温泉成分が失われる」と心配になるかもしれないが、「嵐渓荘」の源泉に含まれる成分は加温・循環によって失われにくいため、安心していただきたい。
また、一般的に循環している温泉は塩素などを使用して消毒されるが、この宿では定期的に行われるレジオネラ滅菌を除いて、塩素の使用は必要最小限の量に抑えているという。
そもそもこの源泉は、高濃度の塩分のおかげで殺菌作用が強いため、ひょっとすると消毒処理が必要ないのかもしれない…と思ってしまう。
新潟県・越後長野温泉の一軒宿「嵐渓荘」の源泉は、敷地内にある自家源泉。
昭和初期には実際に薬として販売されていたという。
まさに「薬泉」で、創業当時から源泉の効能の高さに人々は驚いていたことだろう。
この宿のロビーにある囲炉裏で、飲泉もできる。
源泉は、塩辛いが、旨味を感じる昆布茶のような味がする。
また、源泉を使用したほうじ茶をいただくことができる。
朝食には、源泉を使ったお粥も饗され、この宿の名物となっており、これが本当に美味しい。
人間には美味しいと感じる塩分濃度があり、源泉と「真木の清水」と呼ばれる湧き水を混ぜて、塩分濃度を適切に調節しているからだろう。
塩分以外にもたくさんのミネラル成分が含まれるため、深みのある美味しさになっている。
ちなみに、塩化物泉の飲用の泉質別適応症は、萎縮性胃炎と便秘。
塩化ナトリウムの効果で、胃の粘膜を刺激し胃酸の分泌を促進すると同時に胃の粘膜も保護される。
そして、腸壁も刺激するので、腸の蠕動(ぜんどう)運動も活発になり便がスムーズに腸を通過するようになるからだ。
「嵐渓荘」の温泉で、カラダの外と内、そしてメンタルヘルス両方からリフレッシュしていただきたい。
| 山の湯「深湯」の露天風呂 | 山の湯「深湯」の内風呂 |
|---|---|
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| その名の通り水深が最深部で130cmで、かなり深い。浴槽の底には石が敷き詰められている。立って入浴することになるので温泉と同時に足つぼマッサージ効果もあるのだ。 | 落ち着いた雰囲気が漂う「深湯」の内風呂。露天風呂の立ち湯の方で疲れたら、内風呂でゆっくりするのが良いだろう。枠は木製で、浴槽内は石製。 |
| 山の湯「石湯」の露天風呂 | 男女別大浴場「真木の湯」 |
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| 「嵐渓荘」には「深湯」と「石湯」の2つの貸切露天風呂がある。石湯はその名の通り石を積み上げた湯船の露天風呂で、緑の木々に囲まれた野趣溢れる造りとなっている。 | 男女別大浴場に内湯と露天風呂、それぞれ1つずつ設けられている。析出物から「嵐渓荘」の源泉の効果の高さが伺える。ちなみに真木(まぎ)とはこの地域で一番上手の地という意味を持つ。 |
宿レポート
新潟県の中越地方の山間部、福島県境に近い三条市長野に「嵐渓荘」がある。
「越後長野温泉」というこの温泉地に、宿はここ一軒だけ。
歴史を感じさせる木造の佇まい。それもそのはず、昭和初期(1920年代後半〜1930年代前半)に燕駅前にあった旅館として建てられたものを、1955年(昭和30年)頃に、この地に移築したとのこと。
それが現在の「嵐渓荘」の本館フロントがある「緑風館(りょくふうかん)」である。
木造3階建てのその姿は、それまで関わった人たちのストーリーを想起させ、風格を漂わせている。
2012年(平成24年)には国登録有形文化財に指定された。
「嵐渓荘」は、極上の「薬泉」を所有していることで知られていた。
あえて「薬泉」と記したのは、昭和初期の頃、東京・八丁堀の薬屋で火傷の薬として、実際に売られていたからだ。
そのお湯には、他では考えられないほど塩分の含有量が多く、殺菌作用を期待されたのであろう。
そもそもこの自家源泉は、創業者・大竹保吉氏が大正末期(1924~1926年頃)に掘り当てたもので、それをきっかけに1927年(昭和2年)に湯治施設としてスタートしている。
現在、客室は3つの棟に分かれている。
まずは、前述の本館フロントのある国登録有形文化財の「緑風館」
次に「渓流館(けいりゅうかん)」(1992年/平成4年新築)。
そして、2022年(令和4年)11月にリニューアルしたベッドルームの「翠悠館(すいゆうかん)」。
これは、昭和30年代後半(1960~1964年頃)に造られた「りんどう館」(2001年/平成13年改築)を改装したものだ。
合計16室の構成となっている(2026年現在)。
「緑風館」は客室にバス・トイレは付いていなかったが、2025年の工事で2部屋にトイレが設置された。
古き良き日本を感じさせてくれる、味わい深い木造ならではの雰囲気があり、常連客に人気のようである。計5室。
「渓流館」はバス・トイレ付きの和室。この宿のメインルーム的な存在。大きな一枚窓から渓谷美と守門川(すもんがわ)を臨める。計8室。
「翠悠館(旧:りんどう館)」の客室は、畳敷きにベッドが置かれている。小さなお子様からご高齢の方まで利用しやすい和洋室タイプ。貸切露天風呂の「山の湯」がすぐ隣にあるのも便利。
リモートワークに充分な大きさのデスクもあり、Wi-Fiの他に有線LANも用意されている。開放的なテラスもあり、ワーケーション滞在にもおすすめのお部屋だ。計3室。
近隣の自然を散策するのもいい。
夏には、宿の前を流れる守門川で遊ぶ子供たちも見つけることができる。
岩魚や鮎が生息するこの清流で釣りを楽しむ客も多い。
また、屋外に卓球場もあり、爽やかな風を感じながらちょっとした運動を楽しむのもいい。
「嵐渓荘」は四季折々の楽しみ方ができる宿だ。
春は、ヒメサユリや山野草、そして桜も見られ、雪解け水が流れる渓流と新緑に囲まれた湯浴みは贅沢な時間。
夏は、水車のまわる疏水に幻想的なホタルが乱舞し、渓流の涼やかな風を感じる。
秋は、周辺が紅葉に包まれ、まさに絶景に囲まれたエリアとなる。
冬は、豪雪地帯ならではの幻想的な銀世界となり、「雪見風呂」が楽しめる。2月から3月中旬にかけては、かまくら遊びもできる。また、リスやムササビなどの動物もよく出没するという。
料理も四季によって山菜をはじめ、川魚、野菜など旬のものがいただける。
山里の幸を湧き水で調理した滋味料理は、多くのリピーターを生んでいる。
古いものを大切にしながらも、現代的な快適さを追求するポリシーを感じさせる宿がここだ。
宿の近くの奇岩・八木ヶ鼻には毎年ハヤブサが営巣し、春先にはその子育てを観察できるという。
都会で忙しい日々を送る人にとって、こんな大自然に溶け込むように佇む湯宿を知っていたら、いつでもエスケープしたくなるのだろう。
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料金データ
| 1泊2食料金 | ¥24,200~ |
|---|---|
| 1泊朝食料金 | ¥20,900~ |
| 素泊り | ¥19,800~ |
| 一人泊 | ‐ |
| 宿泊時の貸切風呂料金 | 無料 |
| 日帰り | 大人¥1,000 小人¥700 |
| 日帰り貸切温泉 | 日帰り入浴に準じる |
宿データ
| 創業 | 1927年(昭和2年) |
|---|---|
| チェックイン | 16:00 |
| チェックアウト | 10:00 |
| 宿の立地環境 | 渓流「守門川(すもんがわ)」のほとりにある山間の一軒宿 |
| 部屋数 | 全16室 |
| 収容人数 | 60名 |
| 駐車場 | 50台 |
| 施設 | 売店、卓球台、水車付き庭園 |
| インターネット | Wi-Fi利用可 / 翠悠館には有線LANもあり |
| バリアフリー | 一部対応 |
| シャワー付きトイレ | 完備 |
交通アクセス
| 電車 | 最寄り駅は燕三条駅(東京駅から新幹線で約2時間)、または東三条駅(燕三条駅からJR弥彦線で約7分) |
|---|---|
| 送迎 | 燕三条駅、東三条駅まで送迎あり(要予約) |
| クルマ | 北陸自動車道三条燕ICより一般道にて23.4km |
| 住所 | 新潟県/越後長野温泉/嵐渓荘 〒955-0132 新潟県三条市長野1450 TEL:0256-47-2211 |
- データ制作
- 2026/07/09






















