温泉&旅 倶楽部

泉質別の解説

一般的な適応症と禁忌症、各泉質別の適応症と禁忌症をご紹介します。

⑧含よう素泉

lodine containing springs

殺菌の湯/飲用でコレステロール抑制

「含よう素泉」は、2014年の「鉱泉分析法指針」の改訂により登場した泉質名。温泉水1kg中に、よう化物イオン(I-)を10mg以上含有する泉質。分かりやすく言えば、(イソジンのような)うがい薬やヨードチンキ(きず薬)の成分が入っている温泉。
海水が温泉源となっている場合が多く、ナトリウム-塩化物泉(特に強塩泉)と結びついている場合が多い。さらには、(殺菌効果の高い)メタほう酸の含有量も多い傾向がある。つまり、雑菌の増殖を防ぐ塩化物泉+よう素+メタほう酸のトリプル効果で、「殺菌の湯」と言えるだろう。
ただ、浴用の一般的適応症はもちろんあるが、泉質別適応症がないのがよく分からない部分。
しかし、飲用の泉質別適応症は「高コレステロール血症」と明記されている。よう素は、体内では甲状腺ホルモンの主要な成分で、新陳代謝を促し、内臓の働きを活性化させ、さらには肌質や髪の毛にもいい効果をもたらし、コレステロールを低下させることで「体質改善の湯」とも称される。
ただし、過剰に摂取すると甲状腺肥大を誘引する危険性もある。特に甲状腺機能亢進症の方は、過剰な代謝と激しい動悸を誘引する場合があるので注意が必要。
よう素は、血管壁をやわらかにし、蘇生させる作用があり、さらには、関節炎、リウマチ疾患などにも効果がある。ドイツでは、うがいだけでなく「含よう素泉」で眼を洗う習慣があるという。
ヨーロッパでは、入浴以外に、飲泉、吸入、そして洗眼と幅広くこの泉質を利用しているようだ。
また先に書いたように、「含よう素泉」は、バイプレーヤー的な泉質で、主役の強塩泉と結びついている場合が多いので、高血圧の方は飲泉量も注意していただきたい。

泉質別適応症 浴用 なし
飲用 高コレステロール血症
泉質別禁忌症 浴用 なし
飲用 なし
  • ■湯の色・・・ヨード液を連想させる茶褐色
  • ■味・香り・・・ヨード液を連想させる薬味・科学の実験室のような薬臭
  • ■湯ざわり・・・強塩泉と結びつく場合、ぬめり感&べとつき感
    「炭酸水素イオンが主成分」さらさら感
    「硫酸塩型」(緑礬(りょくばん)泉)酸性が強い場合ピリピリ感
  • ■主な温泉施設・・・北海道・豊富温泉/北海道・晩成温泉/秋田県・強首温泉「樅峰苑」/
一般的適応症

※すべての泉質に関わる適応症。

浴用

筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進

飲用

※飲用には一般的適応症はありません。

一般的禁忌症

※すべての泉質に関わる禁忌症。

浴用

病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期

飲用

※飲用には一般的禁忌症はありません。

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この記事の執筆者

執筆者:温泉コム株式会社 CEO 大竹仁一

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