≪業界初≫泉質表付き温泉レポート！本物の温泉宿へ現地取材、実際に入浴した体験談、成分表を徹底解剖、それぞれの温泉パワーを詳しく解説。

◆泉質名

◆美肌の湯度数　※最高は4つ星

◆こんな人に最適

◆温泉レポート

泉質名は、「ナトリウム−塩化物・硫酸塩泉」。旧泉質名でいえば、「含芒硝−弱食塩泉」となる。 つまり、食塩泉（ナトリウム−塩化物泉）と、芒硝泉（ナトリウム−硫酸塩泉）の２つの特長を持つ温泉なのだ。 食塩泉は、通称「熱の湯」と呼ばれ、湯冷めしにくいとされる。
それは、温泉に含まれる塩分が、汗腺にフタをし、汗を出にくくし、それによって温泉によって温まった体内の温度を下げにくくするからだ。
そして、塩分は殺菌効果もあるので、傷などにもいい。
芒硝泉は、血液中に多くの酸素を送り込む硫酸イオンの働きで、血行を良くし、動脈硬化症や高血圧にいいとされる。
さらに、硫酸イオンは、肌に水分を補給させ、肌にハリと潤いを与えるアンチエイジング作用も期待できる。
pH8.6のアルカリ性ということもあり、湯に浸かると、肌の古い角質や皮脂を溶かし、ツルツルスベスベになる。
つまり、硫酸塩泉とアルカリ性という条件の温泉は、女性には嬉しい典型的な「美肌の湯」のジャンルに入るのだ。
その美肌の湯は、全国的に見ても非常に珍しい温泉。
温泉分析表だけでは分からない部分ではあるが、実はこのメタケイ酸にあると言われている。
メタケイ酸は、化粧水にも含まれる、天然の保湿成分と言われるもの。
メタケイ酸（シリカ）を乾燥させると、よく食品の乾燥剤として使われる「シリカゲル」になる。
これは、水と結びつきたがる性質があり、空気中の水分も吸収する。
この成分が、皮膚の角質層にたくさん含まれていれば保水力が高まり、保湿効果が期待できるのだ。
シリカが、細かい粒子（コロイド）になって固体化し、それが光に当たると、波長の短い青色の光だけを散乱させ、湯が青く見えるという理屈なのだ。
さらに神秘的なのは、最初は無色透明だったものが、時間を経過すると、透明感のある青色に変化し、さらに時間を置くと、ミルキーな青色になっていく事。
この温泉のメタケイ酸含有量は、298.5�rで、温泉の条件の基準値の、なんと約6倍の量（基準値は50�r）となっている。
メタホウ酸にも注目。16.4�rで、基準値の3倍以上の量（基準値は5�r）も入っている。
これは、殺菌・洗浄効果があると言われ、ニキビにもいいとされている。
青い色の温泉は、ただ美しいだけでなく、中身も相当に素晴らしい湯である事を改めて温泉分析表は教えてくれる。
しかし、いかに泉質が良くても、よくある温泉宿のように、塩素消毒して循環ろ過装置を入れていれば、話にならない。
その装置は、湯をリサイクルするだけでなく、コンピュータ管理で、湯温も一定にしてくれる。
だが、ここ「小鳥のたより」は、源泉100％かけ流しにこだわっている。
泉温が高いため、湯量を調節しながら、適温にするという、手間のかかる事をしている。
温泉に手間をかけることは、この宿では常識なのだ。
（文・温泉＆宿コンシェルジュ　大竹仁一）